画像 「MARS LOGO (small)」 (70*70) 桝田省治・小説『ハルカ 天空の邪馬台国やまたいこく』シリーズ

『ハルカ 天空の邪馬台国やまたいこく

あらすじ人物紹介後書き感想Blog 記事抜粋


ハルカ 天空の邪馬台国(やまたいこく) 表紙

あらすじ

高校二年の夏休み直前、とある事件で停学となった俺は、気分転換に旅行を決意。
資金作りに自宅の蔵を物色すると、一枚の青銅鏡を見つけた。
すると急に鏡が光り、少女の顔が浮かびあがって俺に声をかけてくるじゃないか!
不思議に思いつつも導かれてたどり着いた先は、なんと三世紀!
そして空には『邪馬台国』が浮かんでいた!!

――種族を越えた戦争のさなかに展開する、時空を超えた究極の遠距離恋愛の行方は!?





人物紹介





“没ゲーム企画供養小説”第二弾

ゲームデザイナー 桝田省治ますだしょうじ


ゲームの制作においては、諸般の事情により開発が中止になることも珍しくない。
僕も片手では数えられない程度には、そんな経験をしている。数ヶ月、場合によっては数年かけ制作を進めてきたプロジェクトが、ある日突然、中止を言い渡されるのだ。

特にバブル崩壊後の数年間は多かった。他の業種同様にゲームメーカーも生き残りをかけて、事業内容の見直しや組織の再編を必死で進めていた時期だ。
僕自身も趣味でゲームを作っているわけではないから、そのへんの事情は理解できる。
中止決定までにかかった費用を契約書どおりにちゃんといただけたなら、文句を言う筋合いのものではない。
そういうときは、できるだけビジネスライクに割り切り、頭を切り替えようと努めた。

だが、実際には途中まで完成していたデータや資料をシュレッダーに放りこむようなマネはできなかった。それどころか数ヶ月に一度、ダンボール箱からそれらの書類ごみを取り出しては、未練たらしくパラパラとめくり溜息をつくのが常だ。
なかでも「こりゃ面白えーぜ、げへへへ」とか「客の驚く顔が見えるぞ、ぐははは」とかノリノリで作っていたものの残骸を見るのは、死んだ子の歳を数えるようで辛い。
なんとかダンボール箱から出して日の目を見せてやりたいと切に願っていた。


……というわけで、本作は「鬼切り夜鳥子」シリーズ(ファミ通文庫刊)に続く“没ゲーム企画供養小説”の第二弾である。

ベースになっているのは、十ヶ月もかけて考えて、結局、サブタイトルくらいしか用いられることがなかった某大作RPG用に作ったシナリオプロットをまとめたA4五枚のイベント進行表の前半部分だ。

権利関係で揉めたくはないので、タイトルはもちろん、キャラクター、ストーリー、世界設定、想定する客層など大胆に変更した。
残っているのは「冒険の舞台は邪馬台国」「ボーイ・ミーツ・ガール」「鏡で結ばれたふたつの世界」。とくに意識したつもりはなかったが、これらはシナリオの発注時にプロデューサーの広井王子氏と意思統一した三つのキーワードにほぼ一致している。そういう意味では、見た目は違っても味やニオイは再現できたと思う。

本作では、元になったRPGの雰囲気を伝えるために、何かと制限の多い一人称をあえて採用した。よって主人公が“わからない”“興味がない”“話したくない”ことは、ちゃんとした答や説明のないまま、あるいは主観的な推測を述べたまま放置されている。

またRPGでおなじみのレベル1のキャラクターとは、どんなものかと僕なりに考え“張政”という、うだつの上がらない高校生男子を主人公にした。
彼は、状況に同情の余地はあるものの、うまくいかないことを他人に責任転嫁し不平ばかり垂れている。かと言って絶望するほど人生を深く見つめてもいない。そんな自分の甘えを自覚しているが、具体的に努力をしているわけでもない。そのくせ虫のいいことばかり考えている。日々を無為に過ごし、一人前なのは性的な好奇心や衝動くらい。

ようするに、僕が思うところの、どこにでもいる、未来には無限の可能性があるだろうが、今は、みっともないだけの若者を想定した。

初稿を数名の方に読んでもらったところ、女性の張政くんに対する第一印象は芳しくなかった。「キモイ」と評する方までいた。
だが、このキャラクターの設定は、結局ほとんど変えなかった。理由は単純だ。高校のころの僕にとてもよく似ていたし、現在の僕に少し似ているからだ(笑)。

本作を書き終え、ダンボール箱の中で腐っていた僕の十ヶ月分の仕事は、メディアは違えど一応の形になった。本来ならこれで終わりにしていいはずなのだが……。

主人公を、最後の最後まで不完全燃焼のまま放置した報いだろうか、
「憑太は、どこに行ったのだろう? 張政や張政のじいさんと決着をつけたいだろうに」とか、
壹与とよが邪馬台国を再興するときも、張政は確かそばにいたんだよなあ」とか、
余計な想像が膨らむばかりだ。
たぶん、このダメダメな張政くんの成長に、僕はまだ期待しているのだろう。

最後に、ネット上のサイト、ミクシィの「執筆中のハルカ(仮)を読む」コミュニティで五ヶ月に渡り、筆の遅い僕を叱咤激励してくださった皆様に深く感謝。


僕の息子たちのじいさんの二回目の命日 平成十八年十月十二日 






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Alfa・MARSプロジェクトより抜粋

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